30万まで損金で落とせる医療保険のメリットデメリットと良い入り方

生命保険

経営者の方なら死亡保障の次くらいに提案されるであろう医療保険
そのメリットデメリットや、経理処理、加入するときのポイントをまとめてみました。

加入目的

加入する目的は2つあります。在職時の事業の保障と退職後の保障です。
人気の理由は損金で保険料を落とながら名義変更すれば老後の終身の医療保険を手に入れられるからです。

保険の内容

契約者法人
被保険者経営者(従業員でも可)
受取人契約者と同じ(法人)
保障内容医療保険
保障期間終身
払込期間退職予定日以前
(保険料や保障内容との兼ね合いで調整)
保険料年30万円未満(月25000円未満)
(超えた場合には一定割合を資産計上)
経理処理被保険者1人あたり年間30万円までの場合は損金
超えた場合は全額について一部資産計上の必要あり

契約者と受取人が法人のため、この状態のままだと単純に入院時に会社に保険金が入る事業保障の保険です。

上の加入目的として書いた老後の就寝医療保障を手に入れるためには、受取人を法人から個人に変更しなければいけません。
ただし、返戻金相当額が給与扱いになり課税されてしまうため、多くの場合には退職時に名義変更し退職金控除枠と相殺します。

経理処理

支払い時

まずは支払い時の経理処理です。
ポイントは短期払い終身の医療保険は、被保険者一人あたり年間の保険料が30万円までは損金処理できることです。

第3分野(医療保険等)かつ「終身保険かつ短期払い」のもののみがこの30万円の縛りに入ります。
(死亡保険、医療保険でも定期保険や終身払いの保険はこの30万円の枠外です。)

年間の保険料:200,000円 の場合

借方貸方
支払保険料  200,000円現金・預金 200,000円

保険金受け取り時(法人受取)

契約者、受取人をともに法人にしている保険の保険金は、会社に支払われます。
そのため雑収入として一度、益金として計上する必要があります。

入院給付金と手術給付金合計:100,000円 の場合

借方貸方
現金・預金  100,000円雑収入  100,000円

会社が受け取った保険金の一部または全部を本人に見舞金として渡すことで福利厚生費として損金として経費で落とすことができます。

見舞金の経理処理

基本的には福利厚生費として損金で落とします。

借り方貸方
福利厚生費  100,000円現金・預金  100,000円

金額が大きすぎる場合や規定によっては給与扱いになってしまうこともあるため気をつけましょう。

名義変更時(勇退時)

名義変更を行った場合には、解約した際に払い戻される「解約返戻金」を保険の時価として経理処理します。

退職金(給与):30,000,000円
解約返戻金 400,000円 の場合

※資産計上部分である前払い保険料がない場合

借方貸方
退職金    50,400,000円現金・預金  50,000,000円
雑収入      400,000円
解約返戻金が40万円の場合

名義変更が済み、契約者、受取人ともに個人にした後は、保険金は直接個人に支払われるため、経理処理の心配をする必要はありません。

参考

国税庁

お問い合わせ

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アドバイスや保険プロへの橋渡しなどできる限りのことをいたします。

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