仮想通貨の経理処理の方法 仕分けや勘定科目、注意点など

仮想通貨と現金 仮想通貨

仮想通貨、暗号資産とは

ビットコインやイーサリアムなどを筆頭にブロックチェーンという技術を使ったネット上で取引される価値があると言われているデータです。

投資目的での持つ個人や法人が大半を占めていますが、決済をはじめとした各種サービスへの応用が期待されています。

すでにビットコインでの支払いに対応している店舗も国内外にすでに多く存在しています。また、海外へ低コストで送金する手段としても注目を集めています。

一般的には「仮想通貨」という名前で親しまれていますが、日本では貨幣として正式には認められていないため、「暗号資産」と呼ばれる場合もあります。

仮想通貨の取得原価

単発で仮想通貨を買う場合は単純に購入金額が取得原価になりますが、頻繁に売買を行なった場合やどんどん買い増していく場合には「移動平均法」または「総平均法」で計算されます。

原則は移動平均法ですが、継続適用すれば計算のしやすい総平均法でも問題ありません。

移動平均法と総平均法の違い

移動平均法:仮想通貨の購入するたびに取得価格を計算

総平均法:基準期間全体で 購入金額の合計÷購入数量 を行い計算

どちらの方法を選んでも、最終的な所得金額は一致します。単年度で見ると、購入単価が変わり収入金額が変わる場合もありますが、計算方法は継続適用が求められるので計算方法をうまく使った収益の圧縮効果はおすすめできません。

法人個人問わず、取得原価の計算をするためには取引履歴が必要です。取引所から取引履歴の表を取得することができるので決算書の作成や確定申告の時までダウンロードしましょう

仮想通貨の勘定科目

3種類の保有目的

仮想通貨を保有する目的は大まかに3種類あります。

  • 投資・売買目的(投資して、値上がりなどで売却益を狙いたい場合)
  • 支払い、資金決済(仮想通貨建での決済を行う場合)
  • 交換業・トレーダー(取引所の運営やトレーディングを事業として行う場合)

目的によっ勘定科目が変わるので注意しましょう。

勘定科目

勘定科目は明確にこれにしないといけないと決められているわけではないため、目的等に合わせて勘定科目を決めていきましょう。

あくまで一例ですが、下記のような勘定科目が一般的です。

保有目的損益計算書貸借対照表
投資・売買営業外損益
(仮想通貨売却損益)
その他の流動資産
投資その他の資産
(仮想通貨)
(投資仮想通貨)
支払手段・資金決済営業外損益
(仮想通貨売却損益)
その他の流動資産
(預け金)
(仮想通貨)
交換業・トレーダー売上高棚卸資産
(商品)
(仮想通貨)

仮想通貨の取引での仕分け

今回は投資、売買目的での売買の仕分けを見てみましょう。

ちなみに、売買目的で購入時やその前に稟議書や取締役会の議事録などを残しておくと、売買目的の購入だと証明しやすいです。決算時や監査対応のためにもそのような書類を残しておきましょう。

購入時の会計処理

購入時の仕分

1,000,000円分の仮想通貨を購入した場合

借方貸方
仮想通貨 1,000,000円現金・預金 1,000,000円

取引所への入金を預入金として処理する場合には仕分を2つにわけることも可能です。

売却時の仕分

1,000,000円分で買った仮想通貨を1,5000,000円で売った場合

借方貸方
現金・預金 1,000,000円仮想通貨    1,000,000円
仮想通貨売却益  500,000円

売却益が出た場合は貸方に、売却損が出た場合は借方に仮想通貨売却損益を入れます。

投資目的や決済目的で仮想通貨を保有していた場合、損益計算書ではこの仮想通貨売却損益を営業外損益として処理しましょう。

仮想通貨の決算時の処理

活発な取引がある通貨は時価で評価し、活発な取引が

ビットコインやイーサリアムをはじめとした、どこの取引所でも取引されているような仮想通貨は時価評価です。
一方で、一部の海外取引所でしか取引されないようなアルトコインは取得原価で評価します。

・継続的に売買の価格が公表され、かつ、その公表がされる売買価格等がその仮想通貨の売買の価格又は交換の比率の決定に重要な影響を与えているものであること
・継続的に前号の売買価格等の公表がなされるために十分な数量及び頻度で取引が行われていること
・次に掲げる要件のいずれかに該当すること
イ 第一号の売買価格等の公表が当該内国法人以外の者によりされていること
ロ 前号の取引が主として当該内国法人により自己の計算において行われた取引でないこと

参考:資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い

仮想通貨の会計処理はまだ歴史が浅く、法改正などがある場合があります。
すでに取引をしている場合には仮想通貨に強い税理士や会計士に顧問になってもらい、処理方法など相談できる体制にすることをお勧めします。

参考

「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い」

コメント

タイトルとURLをコピーしました